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2017年8月

2017年8月19日 (土)

魚の模様の出来る仕組み

魚の模様の出来る仕組みについて、何年か前にサイエンス Zero で見たことがあったのですが、その仕組みがどうだったか忘れていました。録画していたわけでもないので、再度確認出来ずにいたのですが、先日、その番組を見ることが出来ました。今度は忘れないように、ここにメモしておきます。

タテジマキンチャクダイの写真

その番組では、タテジマキンチャクダイの縞模様について説明が有りました。タテジマキンチャクダイは、体が成長すると縞模様の本数が増えて縞の間隔が一定に保たれます。その仕組みは、色素の活性化因子と抑制因子によって説明出来ます。


まず、縞模様の形成は次のようになっています。

  1. 細胞は色素の活性化因子を生成する。
  2. その活性化因子は細胞に更に活性化因子を生成するよう働きかける。
  3. 活性化因子は細胞に抑制因子も生成するよう働きかける。(活性化因子が無いと抑制因子は生成されない)
  4. 2 種類の因子は周りの細胞に拡散する。
  5. その拡散速度は抑制因子の方が速い。
  6. 着色された細胞から少し離れた所は抑制因子の方が多くなり、着色されない。

このようにして出来た縞模様は、身体の成長により間隔が広がります。すると、着色された細胞からある程度離れた個所には抑制因子が届かず、その箇所の細胞が着色されます。こうして、身体が成長しても縞の間隔が一定に保たれるという訳です。

活性化因子 抑制因子 A B C

図を用いて説明します。細胞 A と C は着色されているとします。それらから発生した抑制因子が活性化因子より早く色素細胞 B に到達すると B は着色されません。これにより、縞が形成されます。そして、 A と C の間隔が広がり、抑制因子が B に到達しなくなると、 B の生成する活性化因子により B は着色され、その結果、縞の間隔が一定に保たれることになります。

実は、2 種類の因子で模様を形成する仕組みは、チューリングによって方程式が与えられています。それが次式です。
\[ \left\{ \begin{aligned} \frac{dX_r}{dt}&=f(X_r,Y_r)+\mu(X_{r+1}-2X_r+X_{r-1})\\ \frac{dY_r}{dt}&=g(X_r,Y_r)+\nu(Y_{r+1}-2Y_r+Y_{r-1}) \end{aligned} \right. \] \(X, Y\) がそれぞれ活性化因子と抑制因子です。添え字 \(r\) は細胞を示す番号です。 \(f, g\) などを具体的に決めて計算すると、縞模様の形成の様子をシミュレートすることが出来ます。

ところで、上記方程式は 1 次元についてしか言っていないように思うのですが、これで 2 次元もカバー出来ているのが不思議です。

番組では、縞模様の形成の他にも、肺の形成や細胞性粘菌の集団の振る舞いなどが紹介されていましたが、ここでは省略します。

魚の模様の出来る仕組みについて、目がテンでも放送されたことが有るようです。 目がテン!ライブラリー 生き物(模様)の科学 に解説が掲載されています。

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