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2012年7月21日 (土)

減速倍率

FlatTable のアニメーションには、必要な機能のうち実装されていないものが幾つか有ります。その内の1つ「減速倍率」を実装しました。

まず、下図を使って、減速倍率を設定した場合とそうでない場合を比べてみましょう。

1ページ目は減速倍率の指定なしです。[ Anim ][ Single ]でアニメーションさせてみて下さい。手球は、1番に当たるまでは遅くて、当たった後突然速くなっています。また、1番はゆっくりとポケットに向かって進んで行っています。これでは球の動きが不自然です。

では、2ページ目(画像左上の▲をクリック)をアニメーションさせてみて下さい。こちらは、手球が1番に当たる前も、そして手球の当たった1番も自然な速さで走っています。このカラクリが減速倍率です。減速倍率とはラシャによる減速の量を既定値の何倍にするかを指定するものです。

球は運動中、ラシャの抵抗を受けて減速して行き、最終的に停止します。 FlatTable は、次式に基づいて、停止から逆算して球の速度を計算していることは既に説明しました。
\[ v_{0} = \sqrt{v_{c}^{2} + 2\alpha \ell} \tag{1} \] \(v_0\) は減速前の速度、 \(v_c\) は減速後の速度です(停止は \(v_c = 0\))。

1ページ目の球1番は、ラシャの抵抗 \(\alpha\) を受けて(ゆっくり)減速しながらポケットに向かって行き、丁度ポケットに入った所で停止するように初速度が決定されています。そのため、走りが遅いのです。

それに対して2ページ目は、ポケットに入った球に「減速倍率」を設定しているので、速く走ることが出来るのです。減速倍率を球に設定すると、その球と1つ前の球で作られた区間は、ラシャ抵抗による減速が「減速倍率」の分大きくなります。即ち、式(1)で \(\alpha\) が大きくなるので \(v_0\) が大きくなるのです。

減速倍率の設定は次のようにします。まず、減速倍率を設定したい球をクリックします。次に [ Anim ]をクリックしてメニューから [ Decelerate ]を選択するとダイアログボックスが出るので、それに数字を入力します。これで設定完了。正の数字は減速を意味し、負の数字は加速を意味します(普通の加速度とは逆になっているので注意)。なお、0は特別な意味を持ちますが、それについては別の機会に説明します(Stop and Go)。

因みに、負の減速倍率を設定することで、クッションでの捻りによる加速を表現することが出来ます(参照: FlatTable 土曜日の実験室)。また、押し・引きの加速を表現する時も負の減速倍率を利用できます。

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